2010/10/11

米軍、朝鮮戦争で核攻撃を検討 平壌上空で模擬実験も

【ワシントン=犬塚陽介】1950年代から60年代にかけて、米軍が北朝鮮への核兵器使用を複数回にわたり検討していたことが、公開された中央情報局(CIA)の機密文書で明らかになった。AP通信が9日、米シンクタンク「国家安全保障公文書館」などが公開請求した機密文書の内容として報じた。
 AP通信によると、朝鮮半島に核兵器が配備されたのは、50年6月の朝鮮戦争勃発後、北朝鮮の電撃的な侵攻で韓国軍が釜山近くにまで追いつめられていた同年8月中旬だったという。
 当時の米統合参謀本部は、多数の中国軍が朝鮮戦争に参戦すれば、核兵器の使用で反撃する戦略を描いており、トルーマン大統領も承認していたとされる。
 51年9月には米軍のB29爆撃機が平壌の上空を飛行し、模型を投下して核兵器使用の模擬実験を実施していたという。
 休戦協定の協議が暗礁に乗り上げていた53年の前半には、米空軍幹部が「もっとも短期間」で勝利を導けるとして核兵器の使用を提案。同年5~7月にも米空軍幹部が北朝鮮の「事実上の共産軍事政権を破壊するため」として、核兵器使用計画を進めていた。
 また、69年4月に北朝鮮が米軍偵察機を撃墜した際にも、当時のニクソン政権が戦術核を使って北朝鮮を攻撃する作戦を検討。空軍機に核弾頭が装備され、攻撃に向けた準備が進められたが、中国や旧ソ連の反撃を懸念し、最終的に使用を見送ったという。

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